似たような効果を持つ合成抗菌薬と抗生物質ですが、実は違いがあります。それは一体何なのでしょうか?

合成抗菌薬と抗生物質

合成抗菌薬と抗生物質

抗菌薬と抗生物質は、種類としては少し異なる薬であることはご存知でしょうか?確かに同じようなものではあるのですが、厳密には分けられています。今回こちらのページではその分かりにくい分け方、合成抗菌薬と抗生物質の代表的な成分についてご説明を行いたいと思います。

その違いとは?

合成抗菌薬とは一体何なのか?それはまず抗生物質について触れていかなければなりません。抗生物質とは微生物が作った病原菌を殺す化学物質を使用している薬です。この後にも少し説明するペニシリンがとても有名です。そして合成抗薬品とはその抗生物質+人工的に合成した化学物質をプラスすることで作られた薬になります。なので厳密に言うと違うわけです。ですがまとめて抗菌薬と言われることもあるため、一般的には分かりにくくなっているかもしれません。

合成抗菌薬の主な作用機序

合成抗菌薬は単に抗菌薬とも呼ばれており、その作用はDNAジャイレース(細菌がDNAを複製するために使う酵素)の働きを阻害することで細胞分裂を防ぎ死滅させます。DNAには、人にとっても大切であるたんぱく質の合成方法が記載されています。たんぱく質は細胞の生命維持にとって非常に大切なのです。それは悪玉とされる細菌でも同じことです。たんぱく質が合成できなければ、死滅するのみとなってしまうのです。

その特質を捉えたのが、この抗菌薬です。DNAに書かれているたんぱく質の合成方法がいつまでたっても読み解かれなければ、その菌は増殖もできず死滅します。その読み解く為に必要な酵素であるDNAジャイレースの働きを抑制するのが、合成抗菌薬の働きなのです。そのため「DNAジャイレース阻害薬」とも言われています。

抗生物質の作用機序

では抗生物質はどうやって細菌を滅するかというと、抗生物質の種類によって異なります。代表的なペニシリンなどは、ヒトの細胞には細胞壁がないという特質を生かした攻撃を行います。細菌には細胞壁があり、細胞壁があるからこそ生きていくことが出来ます。ペニシリンの場合は、細胞壁を合成させないようにすることで細胞を増やさず、最終的に細胞を壊すといった方法をとります。

ジスロマックの有効成分で知られるアジスロマイシンなどのマクロライド系は、抗菌薬と似たようなたんぱく質を合成させない方法をとります。但し、DNAジャイレースを阻害するのではなく、細胞内にあるたんぱく質を合成する器官、リボソームの働きを抑えるのです。勿論、リボソームも人間の細胞に存在しますが、細菌のリボソームと違う種類であることから、選択的に細菌のリボソームだけの働きを抑制することが出来るのです。

性病にも効果的な薬です

性病にも効果的な薬です

世界初の抗生物質、ペニシリンの開発はまさに画期的な発明と言われ医学界を大きく進歩させた薬と言っても過言ではありません。そこから様々な抗生物質、合成抗菌薬が開発され現在様々な病気に使われています。どちらの薬も同じと言える点は、人間の細胞に大きな害を与えず、細菌だけを攻撃するといった選択性があるという点です。

またセックスなどにより感染する性病にも効果があり、近年感染者が増加している淋病クラミジアなどの治療にジスロマックやクラビットが良く使用されています。ただどの病気にも言えることなのですが、その汎用性から安易に処方され中途半端に使ってしまうと耐性菌が発生するというリスクが生じてしまいます。

淋病、クラミジアについては高濃度で服用して病原菌を死滅させる方法が有効とされており処方された分量を飲みきることが耐性菌の発生を防ぐ一番有効的な方法です。使用の際は十分理解してから服用を行って下さい。